ナショナルカクテルウィーク特別インタビュー[ミスター デイブ・ブルーム in バーショー]

開催初年度から「東京 インターナショナル バーショー」(以下「TIBS」)を見守ってきたデイブ・ブルーム氏。バーショーとしては4度目の来日となる今年は、「東京 インターナショナル バーショー オフィシャル エグゼクティブ」に就任し、すっかりTIBSの顔となったデイブ氏にバータイムズがお話を伺いました。

ご自身4度目となるTIBSの様子はいかがですか。
実に素晴らしいです。去年よりも規模が大きくなり、よりエキサイティングなものになっているように思います。ジンの出展も増えていて、うまく世界の動向というものを捉えていますね。開催当時はウイスキーショーとバーショーを組み合わせたのようなものでしたが、今は本当の意味でインターナショナルなバーショーになっているのではないでしょうか。とても良い変化を感じています。

インターナショナルな色を帯びてきたということですが、TIBSの特徴とは何でしょうか。
海外のバーショーは、バーテンダーによるカクテルデモンストレーションが主で、セミナーやコンペティションといったコンテンツはほとんどありません。TIBSはコンテンツが充実しているだけでなく、色々な商品をティスティングできたりと、日本で起きていることを深く感じとることができます。会場を歩いているだけで予期せぬ出会いや新たな発見があり、私はいつもそれを楽しみにしています。目的を決めてしまうと視野が狭くなってしまうのでオープンな気持ちで楽しんでほしいですね。

審査員を務められた「なでしこカップ」のテーマでもあるジャパニーズジンについてお聞きします。昨今、日本でも多くクラフトジンがつくられていますがデイブ氏から見たジャパニーズジンとはどのようなものですか。
ジャパニーズジンはとても面白い方向に向かっていると思います。日本は柑橘類が豊富ですし、日本のボタニカルは独特な風味を醸し出すものも多いですよね。国際的に見ても、お茶や紫蘇など日本独自の素材はとても魅力的です。しかし日本におけるジンはまだ初期段階だと思うので、今後色々な可能性があるのではないでしょうか。

世界中を巻き込んだジンブーム、今後の動向はどうなるのでしょうか。
ジンの世界も変わってきています。最近は伝統的な作り方に加え、地元の素材にこだわったものが多くなっています。たとえば柑橘の育たないノルウェーでも地元産のものだけでつくった美味しいジンがあったりと、 “ローカルさ”というのが今後もトレンドとして続いていくと思います。また、世界中のジンの数が多すぎるため、徐々にブランドの収斂が起きるのではないでしょうか。日本にも避けられない新しい市場のあり方として、より洗練されたアイデンティティを確立することが要求されると思います。

デイブ氏がジャパニーズジンに求めることがあれば教えてください。
本来ジンはウイスキーよりもはるかにつくりづらいものです。個性を出し差別化を図ろうとするとバランスが悪くなってしまう。ジャパニーズウイスキーは、凝縮感がありつつ控えめな味わいですよね。表立って主張する味わいではなく、落ち着きのある静かな華やかさがあることが特徴です。つくり手が、個性よりも原料の良さを活かすことに集中している。そんな素晴らしいウイスキーと同様に、日本のジンにも日本らしさを追求していってほしいですね。

最後に、バー文化を愛する皆さんに向けて一言お願いします。
つくり手、飲み手、そしてバーテンダーの皆さんには自分を信じ、日本の良さを賞賛し、日本人であることを強調し、より世界中に誇れる文化を作り上げていってほしいです。

Mr. Dave Broom(デイブ・ブルーム)
お酒と音楽のエディターとして長年に亘り活躍を続けており、多くの著作物を出している。特にウイスキーの造詣が深く、彼の著書「ワールド・アトラス・オブ・ウイスキー」はウイスキー分野における画期的な書籍として増刷もされている。2017年9月にはジャパニーズウイスキー旅行記「ウイスキー-ドゥ」を出版。
東京 インターナショナル バーショーの為に、2012年・2013・2017年に来日している。 今年、東京 インターナショナル バーショー オフィシャル エグゼクティブに就任。